
バルセロナ滞在中に訪れた「ピカソ美術館」。
教科書で見かけるような超有名作品こそ多くないものの、14歳で描いた写実的な大作から、4Gats時代、パリでの試行錯誤、青の時代、ピンクの時代、キュビスム、新古典主義、そして晩年のラス・メニーナス連作まで、ピカソの変化を時系列で追える展示が大きな魅力。
この記事では、実際に鑑賞した作品とともに、天才ピカソの成長と変遷を紹介します。
- バルセロナ「ピカソ美術館」へ
- 少年時代のピカソ|完成された写実力に驚く
- ❶ 14歳で描いた「初聖体拝領」
- ❷ 15歳の大作「Science and Charity」
- 4Gats時代と若き芸術家ピカソ
- ❶ 芸術家カフェ「Quatre Gats」と若き日の交流
- ❷ 妹ローラの肖像に見る卓越したデッサン力
- パリで吸収したポスト印象派の世界
- ❶ ピカソ美術館を代表する名作「Waiting (Margot)」
- ❷ 「La Nana」と色彩豊かな実験の時代
- ❸ 「Woman with Mantilla」に見る作風の広がり
- 青の時代からピンクの時代へ
- ❶ 親友の死と苦悩がにじむ青の時代
- ❷ 「Madame Canals」とピンクの時代への移行
- キュビスムへ向かうピカソの変化
- ❶ 人体を単純化し始めた「The Offering」
- ❷ 闘牛と「ゲルニカ」へつながる馬のモチーフ
- 新古典主義と晩年の再解釈
- ❶ 前衛と古典を行き来する「アルルカン」
- ❷ ベラスケスを再構築した「ラス・メニーナス」連作
- ピカソ美術館で感じた“変わり続ける凄さ”
バルセロナ「ピカソ美術館」へ

先月末に行ったバルセロナにある、「ピカソ美術館」。 教科書に載ってるようなメジャー級の作品はあまり無いけども、少年時代から晩年までのピカソ作品の変化と成長を時代系列で見れる展示が◎ しかも、夜21時まで開いてるから、仕事後でも行けるし♪




ピカソの有名な作品って、一見、「子供が描いたみたい」と思えるけど(笑)、ピカソが15歳前後の時点で、こんな感じで、既に完成された写実的な作品だったり、印象派〜ポスト印象派的な技法で描いてみたりと、めちゃわかりやすく神道ぶりを発揮してるよね…(驚)



- 名称:ピカソ美術館(Museu Picasso Barcelona)
- ジャンル:美術館、芸術鑑賞、バルセロナ観光
- 住所:Carrer de Montcada, 15-23, Ciutat Vella, 08003 Barcelona, Spain
- 営業時間:火~日 10:00~20:00(木曜は~21:00)
- 定休日:月曜日、1月1日、5月1日、6月24日、12月25日
- 入場料:有料(一般入場券あり)
- 所要時間:1.5~3時間程度
- 見どころ:14歳で描いた「初聖体拝領」、15歳の「Science and Charity」、名作「Waiting (Margot)」、ベラスケスを再解釈した「ラス・メニーナス」連作など
- 最寄り:Jaume I駅から徒歩約5分、Estació de França駅から徒歩約7分
- お問い合わせ:+34 932 563 000
- ※観光情報は、当ブログ掲載時のものです。営業時間・料金は変更となる場合がありますので、訪問前に公式サイトをご確認ください。
少年時代のピカソ|完成された写実力に驚く
❶ 14歳で描いた「初聖体拝領」

「初聖体拝領」。 これ書いたの14歳の時だってさ…((((;゚Д゚))))))) ピカソっていうと、庶民には理解不能な絵が多いけども、“描けないから崩した”んじゃなく、“描ける上で壊していった”、“再構築していった”、画家なんだ、ってことを改めて理解しました…

❷ 15歳の大作「Science and Charity」
4Gats時代と若き芸術家ピカソ
❶ 芸術家カフェ「Quatre Gats」と若き日の交流

10代後半、若きピカソがバルセロナの芸術家カフェ「Quatre Gats(4Gats)」に出入りしていた頃の作品で、4Gatsのメニューとそのスケッチ。ロートレック感あり過ぎて、パリかぶれ感たっぷり(笑)



4Gats時代?ってのは、カフェでの様々な交流を経て、ロートレック的な軽い線描やカフェ文化、ポスター的表現等が強く出た、それまでの「超優等生のアカデミック画家」から、“前衛芸術家ピカソ”への重要な転換点だったっぽい。 右上とかお触りしてるし(苦笑)



❷ 妹ローラの肖像に見る卓越したデッサン力

「Lola, Artisist’s Sister」 若い頃のピカソが、炭で描いた妹ローラの肖像で、個人的には結構見入っちゃった作品。線だけじゃなく、炭を擦った濃淡で、空気や質感を作ってる。

パリで吸収したポスト印象派の世界
❶ ピカソ美術館を代表する名作「Waiting (Margot)」

たぶん、ここピカソ美術館のウリの一つで、「Waiting (Margot)」 パリに向かった若きピカソによるポスト印象派吸収期の作品。ゴッホ的な短く力強い筆触、スーラ/シニャック的な点描・分割主義っぽい背景、そしてロートレック的なモンマルトルの退廃的な夜の文化、なんかがてんこ盛り(笑)

❷ 「La Nana」と色彩豊かな実験の時代

同じく、若きピカソによるポスト印象派吸収期の作品、「La Nana」。 この作品の少し前に、親友のカサヘマスが自殺したらしく、それがきっかけで、この作品を描いた年の後半にはピカソ自身が深刻なうつ病を患い、一年もしないうちに、この強烈に鮮やかな色づかいから「青の時代」に突入するとはね…

❸ 「Woman with Mantilla」に見る作風の広がり

「マントをまとった女性(Woman with Mantilla)」 鮮やかな色彩とスーラ的な点描画法を実験的に取り入れた作品。 なんか、もはややろうと思えばどんな作風でも描ける、っていうピカソの天才性を物語る作品な気がしたわ…

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青の時代からピンクの時代へ
❶ 親友の死と苦悩がにじむ青の時代

親友の自殺や貧困といった個人的な苦悩から、青を基調に孤独、絶望、病、貧困といった負の感情を深く表現した「青の時代」。 「Waiting (Margot)」や「La Nana」からいきなりこんなスタイルになる精神状態って…(汗)



❷ 「Madame Canals」とピンクの時代への移行

「Madame Canals」 「青の時代」の憂鬱から抜け出し、明るい色調やサーカス団員などを描いた「バラ色の時代(ピンクの時代)」へ移行する過渡期の古典的な作品。この肖像画なら、描いてもらった人も喜ぶよね😅 さぁ、できた、って言われてキュビズム的な肖像画見せられたら殺意が湧くもん、普通に。

キュビスムへ向かうピカソの変化
❶ 人体を単純化し始めた「The Offering」

「The Offering」 青の時代・ピンク時代を経て、人体を単純化、顔を仮面的に変形、立体を分解し始めた時期の作品らしい。 伝統的な遠近法を破壊し、事物を幾何学的な面で再構成した、キュビスムの出発点となる記念碑的作品って言われてる、「アヴィニョンの娘たち」にだいぶ近づいてきた感じ。

❷ 闘牛と「ゲルニカ」へつながる馬のモチーフ
この馬のモチーフから連想される『ゲルニカ』を見に「ソフィア王妃芸術センター」を訪れた時の思い出はこちら↓
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新古典主義と晩年の再解釈
❶ 前衛と古典を行き来する「アルルカン」

「アルルカン(道化師/Harlequin)」 ピカソがこの作品を描いた1917年に訪れたイタリア旅行でルネサンス美術に触れ、既にキュビスムの先駆者だってのに、新古典主義へ回帰していくのを感じるのが、この静かで端正なアルルカン。“前衛”と“古典”を自由に行ったり来たり…。

❷ ベラスケスを再構築した「ラス・メニーナス」連作

「ラス・メニーナス」連作。 スペインの宮廷画家ベラスケスの名作を基にした58点からなる再解釈作品で、元の構図や登場人物(犬を含む)を維持しつつ、キュビスム的手法で解体・再構築して、モノクロ主体からカラフルな色彩まで、視線や光の表現を独自の視点で問い直したんだとか。

ピカソ美術館で感じた“変わり続ける凄さ”

最後に、息抜きとしか思えない作品もちらほら(笑) 幼かった頃から、画家だった父に絵の技術を叩き込まれ、自由に描くことができなかった抑圧でもあったのか、絵について知らない子どものような絵を目指してたらしく?、




こんなセリフを残してるらしい。 『It took me four years to paint like Raphael, but a lifetime to paint like a child(4年で巨匠ラファエロのような絵はを描けるようになったが、子どものような絵を描けるようになるは生涯かかった)』


古典技法、パリ滞在期、青の時代、ピンクの時代、キュビスム、新古典主義の時代、シュルレアリスムと、自分の過去のスタイルに固執せず、変わり続けたこと自体が、ピカソの凄さだったんでは?と感じれたのは、こうやって時系列で少年じたぃからのピカソ作品を鑑賞できたからこそ、ってことでおしまい。







