
「情熱の国」スペインを象徴する伝統文化の一つ、闘牛(Bullfighting)。
そして、首都マドリードには、世界一権威のある闘牛場、「ラス・ベンタス闘牛場(Plaza de Toros de Las Ventas)」があります。
出張の合間などを利用して、これまで計3回、実際に闘牛を観戦。超満員だった5月と、暑さの中で空席が目立った7月では、同じ闘牛場とは思えないほど雰囲気も印象も違いました。本記事では、そんな3回の観戦体験と、チケット・座席など現在訪れる際に役立つ情報をご紹介します。
マドリードで闘牛を見る前に知っておきたい基本情報
ラス・ベンタス闘牛場での3回の観戦記に入る前に、まずは闘牛がどのような流れで進むのか、そしてチケットの購入方法や座席選び、開催時期など、実際に観戦する際に知っておきたい基本情報をまとめておきます。
❶ マドリードの闘牛とは?観戦前に知っておきたい流れ
スペインの闘牛は、ただマタドールが赤い布を使って牛と対峙するだけではなく、大きく3つの段階(テルシオ)に分かれて進行します。
実際に観戦していると、ピカドールやバンデリジェロなど様々な闘牛士が登場するので、事前に大まかな流れを知っておくと、何をしているのかが分かりやすくなります。
- 第1段階「Tercio de Varas(槍の段階)」:まずマタドールらが大きなマント「カポーテ」を使って牛の動きや性質を見極めます。その後、馬に乗ったピカドール(Picador)が槍を使って牛と対峙します。
- 第2段階「Tercio de Banderillas(バンデリーヤの段階)」:バンデリジェロ(Banderillero)らが、装飾された短い銛「バンデリーヤ」を牛の肩付近に刺していきます。
- 第3段階「Tercio de Muerte(死の段階)」:マタドールが赤い布「ムレータ(Muleta)」を使って牛と対峙する、一般的に「闘牛」と聞いてイメージする場面。最後は剣を使って牛を仕留めます。
- 「真実の瞬間(Momento de la verdad)」:最後にマタドールが剣で牛を仕留めようとする瞬間。実際にラス・ベンタスで観戦した際も、それまで大歓声に包まれていた闘牛場が一気に静まり返り、独特の緊張感に包まれました。
- 1回の興行:一般的な闘牛では複数の牛とマタドールが登場するため、1頭が終わっても興行そのものは続きます。
ちなみに、自分が初めて闘牛を観戦したのは、2009年に訪れたグラナダ。闘牛場の前では動物愛護団体による抗議活動も行われていて、初めて目の当たりにした「真実の瞬間」にはかなりの違和感も…。そんな初観戦の様子はこちら↓
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❷ ラス・ベンタス闘牛場のチケット・座席・開催時期
マドリードで闘牛を見るなら、舞台となるのが世界でも特に重要な闘牛場として知られる「ラス・ベンタス闘牛場(Plaza de Toros de Las Ventas)」。
チケットはオンラインでも購入できますが、特に注意したいのが「Sol(日向)」「Sol y Sombra(日向・日陰)」「Sombra(日陰)」という座席の違い。自分も2023年7月に一番安い日向席を選びましたが、夕方でも始まる前から後悔するほどの暑さでした(苦笑)。
- 施設名:Plaza de Toros de Las Ventas(ラス・ベンタス闘牛場)
- 住所:C. de Alcalá, 237, Salamanca, 28028 Madrid, Spain
- 開催時期:例年、春から秋にかけて闘牛などの興行を開催。開催日・開始時間は時期によって異なるため、旅行前に公式スケジュールの確認がおすすめ
- サン・イシドロ祭:例年5〜6月頃に開催される、ラス・ベンタスを代表する闘牛イベント。人気の興行はチケットが売り切れることもあるため、早めの予約がおすすめ
- チケット購入:ラス・ベンタス闘牛場公式サイト からオンライン購入可能。闘牛場の窓口でも購入可能
- 座席:大きくSol(日向)、Sol y Sombra(日向・日陰)、Sombra(日陰)に分かれ、さらにアリーナからの距離や高さなどによって細かく座席が分かれる
- 料金:開催される興行や座席位置によって異なり、基本的にSol(日向)よりSombra(日陰)の方が高額。最新料金は予約時に公式サイトで確認
- 座席選びの注意点:夏場はSol(日向席)の暑さに要注意。自分も2023年7月に一番安い日向席で観戦しましたが、夕方でもかなり暑く、料金だけで選んだことを後悔するレベルでした(苦笑)。暑い時期ならSombra(日陰席)も含めて検討するのがおすすめ
- 所要時間:興行内容によって異なりますが、最初から最後まで観戦するなら2時間程度を目安にしておくとよいと思います。
- ※開催日程・開始時間・料金・チケット販売方法等は変更されるため、訪問前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
ラス・ベンタス闘牛場で3回観戦した実体験
❶ 2019年5月|超満員のラス・ベンタス闘牛場で初観戦

超満員、驚。よくチケット取れたな、苦笑。2009年にスペインに来た時は、バルセロナではもはや闘牛やってなかったし、グラナダでも闘牛場の目の前で動物愛護団体が抗議してたし、どんどん廃れていくんだろうなぁって思ってたら全然でビビったわ、笑。若い人も結構いたしね。


マタドールが赤いマントで連続して牛を交わすと拍手喝采。だいたい5回連続くらい交わすと褒められる感じ。あと、全然関係ないけど、槍を持って馬に乗ってくる2名のピカドールのうち、自分から見て右側から登場するピカドールが、この日、一度も仕事してなかった、汗。もしかして観光客??


あと、一回だけ、途中でたくさんの白牛がやってきて闘牛(黒牛)を囲んで、なにやらなだめつつ?一緒に退場していく、っていう場面があった。一体何だったんだろう…。グラナダの闘牛では見なかった光景。


マタドールが闘牛にトドメを刺す「真実の瞬間」。それまで大観衆の声援やら音楽隊のラッパやらで活気に満ち溢れていた闘牛場全体が、「しぃーっ!」とどこからともなく聞こえる声を合図に静まり返る…。この日最後のマタドールは特にお見事で、一発で仕留めて闘牛場全体がスタンディングオベーション!


活気の有無でこんなにも闘牛に対する印象が変わるなんてねぇ、驚。グラナダの時は、閑散としててグロさだけが際立ってたもんねぇ。ということで、この手のものに対する考え方は人それぞれだけども、少なくとも昔見た時よりは格段に面白かった!闘牛はマドリッドに限る!

❷ 2023年7月|真夏の日向席で2回目の闘牛観戦

ただ、若者たちの懐事情も鑑みて、一番安いシート(日向席)を取ったんで、始まる前から熱中症になりそうな勢い…、汗。
てか、まもなく19時だってのに、この明るさは一体何??
そして、暑いからなのか、全然人がいないじゃん!!大丈夫なの??


自分的には、2019年5月、最後にこのラス・ベンタス闘牛場で闘牛を観た、この大観衆のイメージだったんだけど…(汗)
夏は暑いから人が来ないの??それとも前回の闘牛には、なんかアイドル的なマタドールが出てたとか???

個人的には、そもそも闘牛を好ましいと思ってないし、あまりの暑さで始まる前から帰りたかったしで、惰性的に眺めてたわけなんだけども(苦笑)、この「ムレータの場」でマタドールが叫んでる掛け声的なのって、どんな意味があるんだろ?#マドリード #ラスベンタス闘牛場 pic.twitter.com/lbgazWCvUF
— たく@世界65ヵ国&全都道府県制覇 (@BooTaku) July 10, 2023

最後、トドメを刺す「真実の瞬間」…。前回は大観衆の盛り上がりに流されちゃったのか、お祭り気分でやや興奮気味に眺めてたけども、今回は超シラフってこともあり(笑)、全くもってポジティブには受け入れられない…。
もう流石に闘牛はいいね、個人的には…。
❸ 2023年9月|会食前の30分で3回目の闘牛観戦

サンミゲル市場でのランチ&王宮周りの散歩の後は、20時からの会食まで微妙に時間があったんで、皆さんを連れて、ラスベンタス闘牛場へ♪
18:30開始で、30分もあれば、ギリギリ真実の瞬間まで見れる感じ。
ただ、皆さん、闘牛は牛が死ぬまでやると思ってなかったみたいで…、やや衝撃を受けてた感じ…

スペインの闘牛に対する考え方は、地域によって大きく異なります。動物愛護の観点などから、カタルーニャ州では2010年に闘牛禁止条例が可決されるなど、その是非をめぐる議論が続いてきました。一方、マドリードでは現在も闘牛が伝統文化の一つとして受け継がれ、ラス・ベンタス闘牛場では毎年闘牛が開催されています。
自分自身、実際に何度か観戦して感じた印象もその時々で大きく違いましたが、闘牛はスペインの伝統文化としての価値と、動物愛護・倫理的な問題との間で、今なお議論が続いている文化なんだと思います。
ちなみに、日本にも牛同士が角を突き合わせて戦う伝統行事「牛の角突き」があります。以前、新潟県長岡市(旧山古志村)で実際に観戦したことがありますが、人と牛が戦うスペインの闘牛とはまた違った伝統文化。その時の様子はこちら↓
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